千葉会:バルバロッサクリミアを対戦プレイする

bqsfgame2017-12-23

大型懸案、ついに実現(笑)。
提督さんと対戦。9:30集合で、10時過ぎにプレイ開始、昼食を挟んで18時ころまでプレイしました。正味7時間くらいでしょうか。6ターン終了まで。
1ターンに1時間掛かっている計算ですが、プレイ負荷が重いとは思いません。ルール捜索負荷が重いのです。前述した通りで、シリーズルール、個別ゲームルール、シナリオルールの三部構成で、後から上書き変更されていくので、結局、生きているのがどういうルールなのか混乱しがち。また、「どこかに書いてあったはず」のことを発見するのに、極端に時間が掛かります。
個別のシナリオでは使用しないルールも大量にあるので、シナリオごとに要る分だけのルール要約を作ると、プレイ時間は半分になるかも。つまり、ルールブックを引っ掻き回している時間が半分くらいあるイメージです。この点は非常にいただけません。
ただ、プレイ自体はそんなに大変ではありません。今回はキャンペーンの冒頭部分に当るシナリオ3をプレイしましたが、それでも登場するユニットは少なく戦闘正面は非常に狭い。加えて、ドイツに装甲部隊がほとんどいないので、蹂躙攻撃や浸透移動などの運用も少ないため、攻防ともに考えやすくて長考するようなこともありません。

で、面白いのか?

結論から言えば、個人的には非常に面白くプレイできました。
ただし、好みは分かれるでしょう。
最大の理由は、前述した通りドイツ装甲部隊が登場しないので、バルバロッサ作戦に付き物の電撃戦カタルシスがないことです。そういうものを求めるドイツ軍プレイヤーには、まったく受けないでしょう。
その一方で、昨年の「ファルブラウ」もそうなのですが、バルバロッサ作戦の限界点の苦悩をひしひしと感じます。
本作では、特に天候の影響が大きい。雨が降ると、ドイツ軍は三重苦に陥ります。
1:補給能力が低下する
2:機動能力が低下する
3:航空支援能力が低下する
いや、もう晴れと雨では、正に雲泥の差です。泥泥になるとどうにもなりません。
そういう意味では、勝敗は天候次第という気がしました。
そうしたVP上の白黒は別問題として、ドイツ軍をプレイしているとモーメンタムが失われていくメカニズムと過程が味わい深いです。
問題の1は、補給ルールです。マップの範囲が広いので、補給の中心は鉄道です。盤端補給源から鉄道によって距離無制限で供給できます。ところが、クリミア戦役では、シナリオ3開始時には鉄道が半島内に繋がっていません。しかも、鉄道工兵による転換作業は前線より大幅に遅れていて、開始後10ターン目にならないとマップ内の鉄道変換ができません。ですので、シリーズルールでは傍流であるはずの道路網補給が軸になります。
これが曲者で、規模の小さい作戦級ゲームなら1級道路は無制限とかですが、本作では好天時で21ヘクスしか運べません。雨になると15ヘクスに縮みます。そこから、最後は7ヘクスの連絡線が伸ばせます。ところが、これも雨になると5ヘクスに縮みます。
ですので、好天時には21+7ヘクスだったものが、雨になると15+5ヘクスに一気に8ヘクスも短くなります。なので、補給限界点まで前進していた部隊が一気に補給切れになります。
ただし、本作では補給線が切れても2つの方法があります。各ユニットは一定の備蓄を持っているので、1ターンだけなら備蓄で持ちこたえます。緊急補給です。
それとは別に、まるで北アフリカ戦ゲームなのですが、トラックで補給ポイントを輸送して、この補給ポイントを前線で消費すると5ヘクス以内にある5スタックに補給できます。ところが、このトラックの移動率も雨になると低下します。また、出てくるトラックの総数がデザインリミットなので、このマネージメントも大変。
これを辛い作業だとしか思えない人は、本作をプレイするべきでありません。
補給戦こそが戦争の本質だと思う人には、非常に知見に富んだプレイ体験となることでしょう。
個人的には、悪天候に苦しみつつも、補給マネージメントをして前線の部隊を支えて、石にしがみつくようにして前進するのは、非常にやりがいのある仕事と思いました。
「ファルブラウ」もそうでしたが、あと少し、あそこまではなんとかと思いながら進んでいくスポコンものアニメのようなプレイ感です。

ところで勝敗は?

全16ターンのシナリオの6ターンまでしか終わらず時間切れです。
その時点で、ジャンコイ5点、イエフパトリアの1点、さらにシンプフェロンの2点が目前でしたので、大体8点。後は天候がそこそこであれば、セヴァストポリ挿入マップに突入すれば、もう4点くらい取って勝てるかなと言う感じです。
しかし、ソビエト軍の増援も登場して来ますし、なにより年末に向けて天候が悪化して行きます。ですので、プレイして見ないとなんとも言えないと言う感じ。その意味では、バランスもかなり良い感じだと思いました。
ルールがインプットされている内に、またやってみたいなと思いました。
バルバロッサシリーズの中では、あまり人気がないかと思いますが、他とは違った醍醐味があると思います。ルールの問題さえなければ、もっと広くプレイされて良いゲームだと思いました。
重ねて言いますが、ルール学習負荷は非常に重い。これより大変なのは、ASLくらいでしょうか‥(^_^;