☆アンドリューNDR114を読む

bqsfgame2005-03-19

アシモフの原作短編「バイセンテニアルマン」をシルヴァーバーグが長編化した一作。原作短編は不勉強にして読んでいなかったので比較はできないが、この長編そのものは文句なしに素晴らしかった。
たった1体の意思を持つロボット、アンドリューがマーティン家にやってきてから最後を迎えるまでの200年間の物語。マーティン家の人々が去っていき、その後にアンドリューの人権のために戦ってくれた友人たちも去っていく、そして最後にアンドリュー自身も人間になるために寿命を設けて去っていく。時の重みを実感させる切ない一作。シルヴァーバーグが淡々と踊らずに書いているのも素晴らしい。