フリッツ・ライバーのファファード＆グレイマウザーシリーズ。新装版になって改めて全５巻を目指して再版されていたとは知らなかった。図書館でたまたま見掛けて早速、１巻を借りてきて読んでみた。
シリーズ全体を時系列順に再編した決定版の訳と言うことで、１巻は執筆では後半になる主人公たちの出自エピソードになっている。率直に言うと、あまり面白くなかった。特に一番最初の「雪の女」は１５０ページのノヴェラでファファードの故郷出帆の物語なのだが、読書感が重かった。シリーズの魅力が十分に発揮されてから、主人公の若き日を振り返るのには、それなりの面白みがあると思う。だが、それを時系列順に編集し直されると、必ずしもシリーズの魅力が出てこない作品から入らざるを得なくなるので、それが新たにシリーズを読む人にとって良い整列ではないのかも知れない。そういう意味でシリーズ初期作の出てくる次の巻までは読み進まなければいけないのかなと思っているが、率直なところこの巻だけの評価としてはもう一冊手にとってくるかどうかは難しい感じもある。
