フォーザピープル2版のルールを読む

bqsfgame2005-12-13

AHクライシス直前にAHから初版が発売されたフォーザピープル。すかさず購入してプレイしたゲームだが、そのときは幾つか大きな問題点があってフラストレーションの溜まる出来栄えだった。初版は手放してしまったので烏鷺覚えだが、
問題1:指揮官の死傷率が激戦ほど高く、南軍はリー、ジャクソン、ロングストリートを史実のように運用するのにリスクが高すぎた。
問題2:ワシントンDCが陥落しやすかった。このこと自体は史実ではたまたま陥落しなかっただけで危機にあったというのがわたしの認識なので問題ない。問題なのはデザイナーのハーマンが、この指摘に対して「こうすれば守れるよ」という反論を展開したのだが、その手法が極めてゲーム的で、しかもCRTの歪を利用する手法だったということ。これがゲームデザインに対する姿勢という意味で個人的には大幅減点で再プレイ意欲を削がれた。
問題3:シングルデックのカードドリブンに共通の問題だが、カードの偏りによる有利不利がある。キャンペーンのターン数が長いゲームなので、もっとターン数が短いゲーム(たとえばウィルダーネスウォー)などほど深刻ではなかったが。
今回、2版のルールを読むと、かなり随所に改良が施されていて、「一度やってみなくては」と思わされた。
改良1:指揮官の更迭ペナルティまわりのルール、マクレラン選択ルールなどで、南北戦争の両大統領の最大の悩み将軍人事が改善されていそう。
改良2:指揮官死亡率の問題とCRTの歪は是正されている。
改良3:各年度シナリオが用意され、どの年度からでも始められ、どの年度でも終わるようになった。言い換えればVGの「ザシヴィルウォー」方式になった。これは手軽にプレイできるのでありがたいと同時に、短いシナリオでは前述の問題3は少々気になるかも知れない。ただ、なにせ重いゲームなので練習程度にプレイでき、勝敗が一応争えるようになったのはとても良いことだと思う。