「スキップ」、「ターン」に続く北村薫の時の流れの歪をモチーフにした三部作の最後。
昭和20年の出会いは悲しい別離に終わるのだが、時代をコマ落としに下がりながらエンディングへと向かっていく。
書き方のタッチという面では素晴らしいと思うのだが、個人的には三部作では「スキップ」が一番良かったように思う。「ターン」は無味乾燥な無人の世界のイメージが冷たく感じるのがマイナス、「リセット」は物語が幾度も辛い別離で区切られているのが読んでいて辛い。
実は最後はハッピーエンドなのだが、今回は適当な出張などがなく少しずつ長く掛けて読んだので辛い読書時間の印象が長く重くなってしまってエンディングにも関わらず楽しく読めたとはとてもいいがたい。テンポ良く読んでいたら印象も違ったかも知れない。