SGC例会:アメリカンメガファウナを対戦プレイ

bqsfgame2006-06-18

ベーシックルールではあるが早速の対戦を実現させた。
プレイした感想として特筆すべきは
1)進化ゲームで最も硬派のシミュレーション性を備えている
2)シミュレーションとして合理性が高く、広くシミュレーションゲーマーは一見の価値がある
という2点だろう。
それにしても凄いゲームで、NHKで先月放映された「プラネットアース」も凄かったのだが、地質学的スケールでの生命進化に対する能動的な洞察を与えてくれる威力は、件の番組を大幅に上回る。
例えば、堅い殻の中に高濃度の栄養を詰めた種子を作る被子植物の登場は、それを食べるハスカー(穀物を主食とする動物‥主として小型の鳥類)を誕生させることになる。その結果として、それまでのシダ植物などを対象に葉を食するタイプの草食動物とは別の枠でハスカーが植生から養われることになる。これは単位面積の草食動物の種類と個体数の増加を意味し、結果的に捕食者である肉食獣の種も豊富になってくる。鈍重な草食動物と機敏なハスカーを狩るには、それぞれ違った遺伝子を持ち違う形に進化した肉食動物が登場するからである。
‥というようなことが、ゲームのプレイを通じてボード上にまざまざと展開されるのである。進化を題材としたゲームは他にもこれまでもいくつもあったが、此処まで深いシミュレーションは後にも先にも「アメリカンメガファウナ」だけではないだろうか?
今日のプレイでも、草食動物同士のバイオーム(植生)に対するテリトリー争いが、単純な草食動物としての環境適応の度合いだけではなく、それぞれの種を捕食する肉食動物の存在によって変化することが見られた。そして、これは生き残る草食動物の種や比率を左右し、結果として生き残れる肉食動物の種や比率にフィードバックされていく。これがボード上で初めて展開された時に、参加していたプレイヤーたちは、わたし自身も含めて皆うなってしまった。たとえば、わたしの草食動物は、大食いで消化能力の高いFさんのカバに比べて植生からエネルギーを引き出す効率が低く、単純な生存競争では勝てない。しかし、此処にカバを捕食するYさんの肉食動物がやってくると、わたしにも生存のチャンスが生まれるのである。ところが、さらにそこにわたしの草食動物を捕食するMさんの肉食動物がやってくると、再びわたしは劣勢になってしまう。
この状況を打開するために、わたしは長い首と巨大な体を進化させ、Fさんのカバが届かないような高い樹の梢にある歯を食するように進化したのだった。しかし、これは同時に巨体を支えるために日常的に水辺に体を置かねばならなくなり、生存圏を水辺に限定せざるを得なくしてしまう進化のデッドエンドでもあった‥。
こんなことが次から次へとボード上に展開されていったのである。
凄い、凄すぎる!
誤解を恐れずに敢えて言うならば、これこそが「シミュレーションゲーム」であろう。
なんとも凄いゲームがあったものである。
ただ、問題もいろいろとあった。これはまた明日‥(^_^;