ゲームレビュー:スターエクスプローラー(感想)

bqsfgame2006-07-08

ゲーム全体の感想としては、出発前に資源配分をして、航海中は資源マネージメントをするタイプのゲームなので、GMTの初期のフライトミッションマネージメントゲーム「ホーネットリーダー」を強く連想させた。
様々な星系での遭遇は、判定表を辿ってどんどんロールをしていくだけなので、それほど想像力を刺激するとは言えない。その意味ではパラグラフ式の「スタートレックアドベンチャー」あたりに比べるとフレーバーテキストという肉付けがない恨みがある。
その一方で、実は判定表の種類は極めて豊富で、その中に遭遇ごとの特徴なども織り込まれているので、想像力が豊富なプレイヤーであれば単純なダイスロール作業の中にも「上陸隊は狂暴な肉食動物の捕獲を試み反撃を受けて窮地に陥った。このため船長は保安チームを増援上陸させることを決断し、今度は捕獲ではなくトラップを仕掛けて待つことにした。こうした作業の合間にも惑星地上には嵐が吹き荒れており、このため転送機の能力は制限され負傷したメンバーの回収には齟齬が出ていたのだ‥」というようなキャプションが頭の中で組み立てられる余地が十分にある。
個人的な意見を言えば、発売された年代を考えれば、かなり良くできたゲームだと言って良いと思う。他のプレイヤーと対戦プレイをして喜んでもらえるかどうかは自信がないが、ソロプレイで遊ぶ分には結構、遊べるゲームだと思った。
ただ、いかにフレーバーがないと言っても、星系の名前もなければ遭遇する生物の名前もないというのは味気ない。ランダムでもいいから何か名前を付けるとか、あるいは遭遇した特長を元にプレイヤーに命名させるというようなルールを思い切って作った方が良かったのではないだろうか。
また、やっていることは同じであっても全ての構造が見えてしまう判定表の多用よりは、大量のカードを用意したカードドローの方が探検らしさがあった気もする。AHの「ソースオブザナイル」はカード式だが、その内容のガジェットは本ゲームとそう変わらない気もする。しかし、「ソースオブザナイル」でカードを引きながらホワイトボードにクレヨンを引いている方が、ひたすら判定表を見てダイスロールしている本作品よりも探検らしい雰囲気があると思う。いかがなものだろうか?
あとギークのレビューでも酷評されているが、緑のマップはどうしたものか‥(^_^; まるでアメリカンフットボールかサッカーのゲームでもやっているようで、宇宙空間らしさが感じられない。低予算だったのかも知れないがインクの色指定を緑でなく紺にすればそれで良かったのではないかと思う。判定表の多用もそうだが、もう少し「雰囲気」を大事にしてくれていれば、内容は悪くないだけに良かったと思う。ちなみに画像は左半分が判定表、右側はプレイヤー毎に各星系で出会った遭遇を記録管理する欄。