○フューチャーイズワイルド完全図解を読む

bqsfgame2006-08-08

アフターマン」の続編の、そのまた完全図解。
500万年後、1億年後、2億年後の世界の生物たちを解説している。前作が進化に関する洞察書だったとすると、此処まで来るとちょっと科学的な怪獣図鑑と言った感じ。プレートテクトニクスと、生命相の大きな変遷の知識が冒頭にあるが、圧倒的な記載は奇怪な新生物たちにある。
500万年後の世界では、まだプレートテクトニクス的な変化は小さく現在の世界地図のイメージが残っている。優勢な動物も哺乳類を中心に鳥類、爬虫類などがいて、大きくは現在とそれほど変わらない。
1億年後になると温暖化のピークを迎えて水面が上がり大陸もかなり移動して様相が大きく変わっている。哺乳類は衰退し、わずかにポグルと呼ばれるネズミの子孫がシルバースパイダーという群生する蜘蛛の家畜として生き残っているだけになっている。かつての大陸が没した大浅海には、ウミウシから進化した高速水泳生命が泳ぎ回り、海面にはクラゲから進化したオーシャンファントムが巨大な群体を作って浮遊しながら水面下の得物を漁をしている。沼地にはタコが両棲的な進化を遂げて住み付いている。巨大陸棲生物のポジションにはカメが付いており、体高7m、体重120tと説明されている。正に小型怪獣である。
2億年後には全ての大陸は再び集結して第2パンゲアができあがっており、その内陸に出来上がる巨大砂漠にはシロアリの子孫のテラバイツが巣を作り、背中に菜園を営むガーデンワームが工夫を凝らして生きている。鳥類が衰退して代わりに魚が空を飛んでおり、陸棲巨大生物や陸棲知的生物のポジションにはイカが暮らしている。
ゲームで言えば「アフターマン」がアメリカンメガファウナだっとすれば、本作は「クァークス」と言ったところか。奇矯な生物の姿に驚きながらページをめくる奇想生物図鑑である。