レジェンドビギンズ日本語版を入手

bqsfgame2006-08-13

だいぶん悩んだが、今回、フォーザピープル2006カードデックという一個だけ送ってもらうには余りに軽い荷物が発生したので買ってしまった‥(^_^;
以前にも日記に書いた通りシモニッチの傑作だと思う。シモニッチの個人メーカーだったと思われるライノゲームズは、キャンペーントゥスターリングラードと、本作品を出版したが、前者はユニット密度が高い東部戦線、後者はユニット密度が低い北アフリカ戦線で対極にあって興味深かった。一方で、ウィーザピープルのシステムを借りて古代戦のハンニバルを作ってしまうのだから達者な人である。「達者」と言うのはシモニッチを語る上で非常にピッタリ来る表現で、手堅く、かつ職人芸的なレベルの高い、細部まで神経の行き届いた仕事ができる人というイメージがある。もっともキャンペーントゥスターリングラードではソヴィエト軍の戦力を過大に見積もってしまった‥というのは、後継作ウクライナ43の予告時の本人の反省。ミスを率直にミスでしたと語れるのも実力があってのことなので、個人的には一向にマイナスだとは思わなかったが、異なる意見の人もいるかも知れない。
キャンペーンは全56ターン。セグメント方式で1ターンは7セグメントからなり、都合400セグメント近い。つまり、400プレイヤーターン相当に近いということになる。ユニット密度が低いのでプレイ不可能ということはないし、シナリオ3のロンメル登場から始めるのがオリジナルの2版の原型だったのでそうすると13ターンほど短くなる。選択ルールには小康という手順の一部簡略化も用意されており、ゲームを広げっぱなしにしておいたり、記録しておいて再開したりすることができる条件下でなら十分にやってできないことはないように思う。
北アフリカのキャンペーンの中でこれが最高傑作かどうかは意見が分かれるところだと思うが、全体をプレイすることを強く意識するなら今でもS&Tのバーグのデサートフォックスが最善で、シナリオというディティールで楽しめるスケールの小ささと全体がプレイ不能でないという点で本作が次善ではないかと思っている。ウェストエンドのロンメルノースアフリカは、ゲームとしては面白いがバランスの危うさは危機的でちょっとキャンペーンゲームとしてはどうかという気がする。もっとも部隊が少なく補給が険しいのでうっかりすると一旦完全に崩壊状態になると言うのは程度の差はあれ北アフリカゲームでは付物の不安定要素。