☆エンディミオン[上][下]を読む

bqsfgame2006-09-27

ハイペリオン四部作の三番目までやってきた‥(^_^;
1000ページを悠に越える大作だが2週間ほどでスムーズに読み終えることができた。特に最後の3日間くらいであっという間に追い込んでしまった。
1)読みやすい。今までの三部の中で圧倒的に読みやすい。
2)登場人物が少なく、追われる側と追う側の二局面の交代方式でわかりやすい。
と言うのが大きい気がする。
ハイペリオン」は、劇中劇と言う構造や登場人物の多さでわかりにくかった。また個々の劇中劇はともかくとして全体としては疾走感に欠けた作品だと思う。また、謎解きなどがされずに放り出されるように終わってしまうのでフラストレーションが残った。「ハイペリオンの没落」は、それと比べると読みやすく、また物語りも謎解きがされて大決着を迎えたのでフラストレーションは薄れた。しかし、だからと言って世紀の傑作と言うほどかと言うと疑問は残った。
で、今回であるが、読みやすく、またエキサイティングだったのだが、気になるところも二つあった。一つは疾走感とは裏腹に軽い感じがしたということ。もう一つはなんとなく「どこかで見たような」SFガジェットが多いということ。ネメスはまるっきりターミネーターだし、パクスはウォーハンマー40kだし、Aベティックはどこかアシモフのロボットを思わせるし、筏の船旅がジャック・ヴァンス風だと言う指摘ももっとも、コアの話しは士郎正宗の「仙術超攻殻オリオン」を思わせるし‥。要は、悪い意味でかつての小松先生の大原まり子評のように「SFがインプットででてきたアウトプットSF」と言った感じがする。