熊罠の今回のプレイで感じたこと

舞台となるビュルツブルグ周辺は、ワルシャワ軍から見るとSPIの諸作品でも有名なフルダ峡谷の先に当る。いわゆるNATOアメリカ軍と西ドイツ軍の境界領域で、NATO側の指揮統制に難しさがあり、ワルシャワが突破を狙ってくるであろうと言われていた地域である。そんな訳で本作にもアメリカ軍と西ドイツ軍が登場する。
この熊罠シナリオもそうで、ワルシャワ側から見ると引いて守っているアメリカ軍を攻めに行ったところ、右側面から西ドイツ軍が、左側面からアメリカ軍が出てくると言う構図になっている。
地図を見ると分かるのだが、ビュルツブルグ周辺でメイン川は大きく屈曲している。このため、ビュルツブルグを攻撃するワルシャワ軍にとっては、左側面は丁度、メイン川が守ってくれている構図になる。
このためセットアップでは右側面のドイツ軍を意識しつつ、先ず勝利条件の前提となるビュルツブルグ突入を果たすべく前面に十分な攻撃兵力を準備し、両方の戦闘を支援できる位置に砲兵を配置してみた。
アメリカ軍はソロプレイではビュルツブルグ防衛の側面支援、もしくは陥落後の奪回を目指してビュルツブルグ周辺に展開するものと勝手に思っていた。ところが、当日のNATO軍のセットアップを見ると、なんとワルシャワ軍の前線より大幅に後方の左側面のシュヴェインフルト方面の対岸にアメリカの増援は配置され、ビュルツブルグは間接的に強力な砲兵で支援されているものの側面支援のない状態で放置されていた。
と言うことで、最初の2ターンで、憂いなくビュルツブルグを陥落させることとし、初期配置舞台は右側面の西ドイツ軍の攻撃を支えることまでを任務とし、さらに後方の補給線を渡河して来た米軍から守る任務は後から来る増援に任せることとした。生憎と増援が登場するところまでゲームが進まなかったので、この判断がどうだったのかは分からない。
しかし、前面での都市奪取、後方への連絡線確立を両立することで勝利できると言う設定、そして、その後方を脅かすべく口を綴じる罠というシチュエーションは非常に魅力的である。
次は是非とも上級ルールをということになっているので、基本シナリオである本シナリオをもう一度プレイする予定は今はないのだが、非常に興味深いシナリオだと思う。