パックスロマーナのゲームシステム

一言で言ってしまうと、チットアクティベーション方式を採用した、軍事行動と帝国建設によるマネージメントの複合マルチである。1ターンに、各勢力は3〜4枚(プレイヤーがプレイタイムの都合で調整してよい)のアクティベーションチットを受け取る。最初の1枚は前のターン終了時の勝利得点の少ない順に並べて実行する。残りはカップに入れてランダムに順にドローしていく。
チットアクティベーションの常だが、アクティベーションが続くことの効果は大きく大規模な突破が叶ったりする一方で、逆にそれを食う恐れもある。このためゲームは非常に流動的になりそうで、地政学マルチが陥りがちな睨み合いによる膠着が置きにくくなっていそう。
また、プレイヤー間の外交交渉が原則として禁止されている。外交をしたい場合には、自分のチットが引かれた時に、通常のアクションを放棄して代わりに会議をコールしてその時だけ外交交渉ができるというルールになっている。これは面白い試みで、実際にマルチでプレイしてみないと、果たして上手く機能するかどうかはわからない。会話まで禁止する訳ではないと思うのだが、そこらへんの細部は良く分からない。
イベントの取り扱いはスタンダードゲームと、アドヴァンスドゲームで大きく異なっている。スタンダードゲームではアクティベーションチットに混ぜてイベントチットを加え、それが引かれた時点でイベントテーブルでランダムに振って発生させる。この枚数もプレイヤーの都合で調整してよいことになっている。上級ゲームではカードとして配り、互いにプレイするようになるらしい。戦略が増すと同時に交渉要素が増え、プレイタイムが増大するとルールにも書かれている。
キャンペーンは全10ターンなのだが、プレイヤーの都合で5ターン以上なら適当に決めても良いとされている。これに加え、ターンの各勢力のアクティベーションチットを標準の4枚から3枚に減らすことができ、さらにイベントチットも使わなくても良いことになっている。結果としてプレイタイムはかなり大幅に調整でき、最短はキャンペーンでも未経験者で5時間くらいでやれるはず‥と書かれている。最長はその3倍くらいは掛かると思われる。
全体として、ヒストリカルシミュレーションと言うよりはヒストリカルフレーバーのあるマルチプレイヤーズゲームというデベロップメントだと思う。かなりユーロゲームを意識したアメリカンゲームだと思う。その意味では「トワイライトインペリウム3」のルールブックを読んだ時と似た印象を受けた。
やり方によってはかなりプレイアブルな感じがするので、近々、ソロプレイしてみようと思う。