コマンド&カラーズの商業的成功を読み解く

日記にこれまで書いてきた通り、個人的には「バトルクライ」はAHらしからぬデベロップ不足だったと思う。また、南北戦争の大幅に規模が違う戦闘を同じサイズのマップとユニット数でやってしまうという「規模によるメカニクスの違いをみない」ラフな扱いも違和感があった。その後も、このシリーズのパブリッシュを見ていると個人的には魅力を感じられないままに終始している‥(^_^;
ただ、某所に書いた通り、それはそれとしてマーケティング的に成功しているというのを認めるのに吝かではない。
以下、某所からの転載>
ブルーオーシャン戦略の提供価値曲線的に分析すれば、
●ミニチュアゲームの提供価値
立体フィギュアによるプレイ
コレクション
ペインティング
ジオラマ
ヒストリカルスタディ
など多様なものがあり、これだけで人生の余暇を埋めるにふさわしいので、ミニチュアゲーマーは普通のボードゲームなどあまりやらないのではないかと思うくらいです。
●対して最近の折衷型のものは提供する価値を絞って
立体フィギュアによるプレイ
ジオラマ
だけに絞ったか、これにコレクション要素を加えたくらいのところでまとめて、プレイ以外の準備時間を不要にして他のゲームも遊ぶ時間を維持したまま取り組めるようにした所がブレークスルーだったのだと思います。
<転載終了
上記の「最近の折衷型のもの」がC&Cシリーズなどを指しているのだが、手軽に遊べるようにしたというところが大きなブレークスルーで、そのためにブルーオーシャン戦略で言う4つのアクションの内の「取り除く」を大胆に実施したと言えよう。
結果として、ミニチュアを使っているにも関わらず対象顧客は従来のミニチュアゲーマーではなく、ペーパーウォーゲーマーや、ユーロゲーマーに広がっている。
C&Cの最新作の「バトルロア」などは、一旦、取り除いたコレクション要素を加えたり、デックコンストラクション的な要素を加えたりしており、新たに拓かれたブルーオーシャンの中で改めて「加える」をやっている。
なんにせよ、「ブルーオーシャン戦略」という分析ツールで分析した時に、すっきりと説明できており、このツールが自分にごく身近な世界でも当て嵌められることを見せ付けられて少々驚いている。
逆に言えば、最近、少々、閉塞感が見られるユーロゲームについても、もしかすると「ブルーオーシャン戦略」的な切口で新しい展開が開けるのかも知れない。そうすると、ゲーム大賞受賞作の拡張キットやもどきばかりが並び新味がないという状況から少なくとも一時的には脱却できるかも知れない。