知能指数は何を計っているのか?

知能検査で計った結果から知能指数が得られる。なんとなく知能指数という言葉は上述したように、脳の働きを計っているような漠然とした印象を受けていた。ところが、よく考えてみると実は知能検査が計っているものは少し違うもののような気がする。知能検査で回答して高得点を得るためには、1:問題を読むことができる、2:題意を理解して行動を計画できる、3:手を動かしたり言葉を喋って行動する‥の全てができる必要がある。つまり、インプット、プロセッシング、アウトプットの全ての段階をクリアする必要がある。
例えば極端なケースを考えてみよう。問題が冊子で与えられ、回答者が視力が不自由で読めなかったとしよう。結果として得点がゼロだったとする。さて、この人の知能指数はゼロだろうか?
あるいは、貴方がスノーボードの着地に失敗して両手を骨折してしまいペンが持てない状態だとしよう。回答は全て筆記式であり、貴方は何も回答できず得点がゼロだったとする。貴方は知能指数ゼロだと判定されて納得するだろうか?
思考実験として極端なケースを考えたが、多かれ少なかれ知能検査にはこうした問題が生じる。つまり、知能検査が計っているものは、インプット>プロセッシング>アウトプットという全体のフローで出される結果を評価する総合能力テストで、その得点は総合力ではなく、いずれかの段階のもっとも低い部分がボトルネックとなって規定されてしまう‥ということである。