☆リメイクを読む

bqsfgame2007-11-23

1996年のローカス賞ノヴェラ部門の受賞作。しかも、コニー・ウィリスと来ては読むしかないと入手した。
しかるに、その実体は!?
映画オタクが書いた映画小説、メインストーリーは単なるボーイミーツガール‥(@o@)/
この要約を事前に教えてもらっていたら、多分、本書を手に取ることはなかったに違いない‥(^_^;
実際、最初の50ページくらいを不明な映画の引用が出てくる度に巻末の注釈を見ながら読んでいたら、ちっとも進まず面白くもなく挫けそうになった。途中でもう諦めて、わからない映画の引用やガジェットは外国語だと思って流してどんどん読み進むようにしたら、突然、コニー・ウィリスならではのドライブ感が甦ってきて一気に終わりまでいってしまった。
感想としては、「いやぁ、コニー・ウィリスってやっぱりさすが!」という感じ。
ただ、この経験を踏まえて分析してみると、ウィリスの本質はストーリーでもガジェットでもないのだと思う。彼女の凄さは主人公の心情に読者を引き込んでしまう圧倒的な筆力なのではないだろうか。そして読者は主人公と共に作品の中を焦燥感を持って駆け抜けていくのだ。
巻末の注釈は大変な力作だと思うが、そうした観点で見ると余計なお世話でいちいち見たりしない方が読書の疾走感を削がなくて良いかも知れない。