兵器開発プログラム成否の実証場面として

bqsfgame2008-03-02

バトルオブブリテンやシーライオン作戦のもう一つの醍醐味は、それに備えた兵器開発プログラムを進めてきたかどうかが試される場面であるというところではないかと思う。
第三帝国」や「ヒトラーズウォー」では、第二次欧州大戦を進める上で、各国がどの兵器の開発を推進するかと言う意思決定が程度の差はあれできるようになっている。
このときにドイツから見て、対イギリス戦というのは、それ以前のポーランドやフランス、さらには後に想定されるソビエトに対する陸戦主体の電撃戦と異質な兵器が要ると言う点で事前に並行して準備しがたいものがある。歴史群像の記事でもこの点は強く指摘されており、そもそもこうしたジレンマがあった割にはドイツはかなり善戦したと言えるのかも知れない。
一方、イギリスから見れば、もっとも重要なことは防空システムの整備であり、レーダーを中心とした警戒網、それと呼応して発進する迎撃システム、それらを可能とする熟練した要員と言うのが整備の対象となり、こちらはドイツと比べれば焦点を絞って準備がしやすかったという利点があったのだろう。にも関わらず、本来であればイギリス本土決戦に備えて温存したい空軍をフランス支援に投入せねばならなかったのが政治的必要性であり、このことによって戦闘機体数とパイロット数の限界付近まで追い込まれたということらしい。記事によれば、ドイツが航空撃滅戦に徹しきっていたならイギリスの防空システムがオーバーロードになる日は1940年の秋には来ていたはず‥というのが現在の見解らしい。しかし、史実においてはドイツは都市への恐怖爆撃へと移行し、結果としてイギリス防空システムに活を入れてしまった‥という整理になっている。
数値的なデータなどは誌面の限りもあり十分に納得が行くほどには提供されていないのだが、これが事実だとすれば「ブリテンスタンズアローン」の「もしもドイツがバトルオブブリテンに勝利していたなら」という想定は実現可能性の十分にあったシナリオだということになろう。
そのときにシーライオン作戦に勝機があったのか? それともバトルオブブリテンに勝っても所詮はその先には決定的な勝利はなかったのか、やはり「ブリテンスタンズアローン」をプレイして自身の見解を持っておきたいところである。