しかしだからこそ

と言うことで先日の月さんのコメントはその通りだと思ったりするのだが、だからこそ日本語版コマンドを応援したいと思ったりもする。なぜかと言うと、雑誌の付録ゲームで実験的なアイテムが打てなくなってしまうと、ウォーゲームデザインの進化という面では大きなマイナスになると思うからだ。アメリカでは今もミランダがS&Tを昔の位置付けに近い形で出版し続けているが、それでも6号単位で歴史的にいろいろなジャンルをカバーするような設計をしたり、人気の出た作品はシリーズ化したりして、S&T全体としての魅力を保って定期購読者を減らさない努力が窺える。結果として、以前の彼ほどには突拍子もない作品、たとえば「サイバーノート」のようなものは出てきにくくなっている気がする。
だが、こうした兆候は長い目で見ればあまり良くないと思う。結局、人気のあるテーマ、人気のあるゲームシステムへの集中が進み、新しいものが出てきにくくなり、次には「見たようなゲーム」ばかりになってきてマンネリ化が進んでいくことが不安として存在する。
歴史は振り子のように往復するので、一時存在したGameFixのような斬新さを志向したゲーム付き雑誌がまた登場する日も来るのではないかと思うが、それは日本ででは難しいのかも知れない。結局のところ、日本語雑誌が相手にする日本のゲームマーケットが世界を相手にできる英語のゲーム雑誌のマーケットより小さいことが本質的な問題なのかも知れない。
種の多様性を確保するためには世界は一定以上の大きさが必要だということを感じさせられる。「アメリカンメガファウナ」でもプレイしてみようか。