アフター・ホローコーストのゲームシステム

冒頭に「シミュレーション」と書いた通り、かなりシミュレーションモデルの作業をしているかのようなメカニクスになっている。大雑把な枠組としては以下のような手順でゲームの1ターンは進行していく。
1)農産物、鉱業資源の生産
2)得られた産物による工業製品の生産
3)プレイヤー間での貿易
4)周辺領土への拡張工作
5)失業・飢餓による悪影響のチェック
6)生産物の備蓄、余剰生産物による翌年生産への悪影響、労働者の産業間移動
7)課税
8)工業の浮沈の判定、これに伴う失業率の増減
9)設備の陳腐化、備蓄の減少
上記を見て判るように、このゲームは社会組織のシミュレーションを中心として運営されていく。ルール上は軍事ユニットも編成することができ、それによる限定的な戦闘も可能ではある。しかし、軍事ユニットの生産・維持コストは、復興したばかりの社会にとっては大変な負担になる。その一方で、全面的な通常戦闘すら実施できるほどの軍備は現実的には編成できず、その影響力は周辺領土の選挙に対して武力で威圧をすることが主任務である。
SPIというとバリバリのウォーゲームメーカーというイメージの方が多いかと思うが、本作はバリバリの社会シミュレーションだし、「スタートレーダー」はバリバリの貿易シミュレーションだ。バリバリのシミュレーションという点では共通しているが、その対象はバトルフィールドに留まらなかったのだと改めて痛感させられる。