アフターホローコーストをプレイして感じること

「アフターホローコースト」は、非常にシミュレーション色が強いので、プレイすることで現実の経済メカニクスについて洞察を与えてくれる部分があると思う。
特に痛切に感じられるのが、資源インフレに関する洞察。ゲーム中のもっとも基本的な資源である食料が全体市場で不足すると、それを貿易で得るのは極めて難しい。仮に貿易に応じる地域があったとしても、交易で代わりに提供するものとしては次に切実に必要な燃料資源を求められる。
ゲームでの相場観として、食料は比較的生産体制が組みやすい(労働力を配置すれば自分の分は作れる)ことから、一般的には食料2に対して燃料1くらいが平時の標準かと思う。しかし、今回、Yさんは食料の全体的な不足を背景に食料1に対して燃料1を要求してきて交渉が難航した。
また、こうした時に現金通貨はまったくと言っていいほど役に立たない。現金通貨は基本的な社会基盤が安定的に確立していて、各地域の安定的な存続が期待できる背景のもとには価値が生まれるが、地域の存続が基本資源の不足で危ぶまれる状況では紙切れに過ぎない。
そんなことを見ていると現在の資源インフレが投機的なメッキを別にしても将来的に進んでいくとすれば、いくら通貨経済ベースで豊かであっても本当に資源が不足した時には手に入らないのではないかという不安を感じる。
いろいろな意味で「アフターホローコースト」は一見に値する「シミュレーション(敢えてゲームとは呼ばない)」だと思う。