KYトップ、ついに会社を破産に追い込む

しばらく入院している間に、とうとうという感じだが年初来お騒がせの船場吉兆が倒産することになったそうだ。
聞いた第一印象は、「無理もない」だった。
この会社の問題行動は次々に暴露されてきたが、一番問題だったのは謝罪会見だろう。見ていて感じることは、
1)そもそも謝罪しようという姿勢を感じさせない
2)問題になった行動をどう改善・解消しようというのかまったく話さない
の2つだろう。
結果として視聴者に対して
3)別にたいして悪いことをしたとは思っていませんよ、なんでそんなにみなさん大騒ぎするんですか?
という謝罪とは逆に開き直って馬鹿にしているかのようなメッセージを残す会社だった。
最近の流行語である「KY」を地でいくような謝罪会見を続けていれば、いずれこうなるのは必然だったように思う。むしろ、よくもった方かも知れない。民事再生中だったようだが中断して破産処理に移るらしい。免許も返納し、吉兆の暖簾も返上するということらしい。
この話しを聞いて考えることが二つ。そもそも前社長の奥さんを新社長にしてやっていけるという考えがKYの一つだと思うのだが、この新社長が前社長に輪を掛けてKYだったと思う。
KYな行動をしたときに、「不味いですよ」と忠告してくれるのは若い内は先輩や上司だが、社長くらいになるときっと誰も言ってくれないのだろう。そういう意味では社長職などトップの人はよほど自分で周囲の反応に気を配らない限りKYになるリスクが普通の人より高いのだと思う。
それにしても気の毒なのは社員一同で、KYな社長一族のために会社が完全に破産してしまうとは、「いくらなんでもこんなにひどいことになるとは?」という感じではないだろうか。それも自浄作用を社内に持たせることのできなかった社員の共同責任と言われるのだとすれば、一般社員は社長を選べないのだから辛過ぎる気がする。
(入院先にて)