ゲームジャーナル27号を入手

bqsfgame2008-07-03

付録ゲームは、「壬申の乱」、「冬季戦41−42」に続くアドテクノスゲームブックからの復刻第三弾「アフリカンギャンビット」だ。
アドテクノスゲームブックは、シリーズ全体のコンセプトも良く、それぞれのゲームもコンサイスなサイズにまとまっていて焦点を絞ったデザインのものが多く良かった。こうして一つずつ復刻されていくのは大変うれしい。
「アフリカンギャンビット」は早速ルールを読んでみたが、部隊が存在すると補給が必要、移動すると補給が必要、攻撃しても防御しても補給が必要、補給物資を輸送するのに補給が必要と言う凄いゲーム。戦闘正面が短く、参加ユニット数の少ない北アフリカ戦線以外ではプレイ不能なコンセプトのデザインだろう。とは言え、北アフリカ戦線では、これこそが戦闘の帰趨を支配したのであるから、こういう極端なデザインがあっても良いのだと思う。是非ともプレイしてみて、どのくらいの感触で補給ルールが機能しているのか見てみたいものだ。北アフリカのキャンペーンと言うと「レジェンド・ビギンズ」もやりたいところなので、なかなか悩ましいところだが。
付録ゲーム関連では、柿崎さんのシミュレーションゲーム批判序説が面白い。
曰く、「ロンメルは戦略的には無能だった」、「困ったことに戦術・作戦面では天才なのである」という主張は、非常に説得力がある。北アフリカ戦のファンの多くは、ロンメルファン、ドイツアフリカ軍団ファンだと思うが、是非ともこの文書は一読してみて、それでもロンメルを英雄と尊敬するかどうか是非とも考えてみて欲しい。前後の文脈を無視して言えば、この原稿の主張するところは北アフリカ戦線はドイツにとっては、同盟国イタリアの戦線離脱を防止するために管理すれば良い程度の戦場であり、そこで戦果を次々に上げ、結果として増援や物資の要求を肥大化させ、ついにエジプトまで入って敵の補給状態の良い戦場まで立ち入って敗北しに行ったロンメルはありがた迷惑だった‥という主張である。
この主張が非常に正当に聞こえる理由は、補給兵站問題と言う、そもそもエジプトまで行く前から分かりきったことからくる彼我の力量差を考えると、必然の結果を迎えたとしか思えないという点にある。そのことを追体験させる面でも付録ゲームがジャストヒットになっている。
しのぐさんの海外ゲーム情報は、今回はファナゲインをニュースソースに使っているのだが、ウォーゲーム情報のソースとしてはいかがなものか。あと細かい話しだがFANAGAINではなく、FUNAGAINなので念のため。