惹句になってしまうが

上述の通りで本書は会計の書というばかりでなくマネージメントの書になっている。そして、それを誰にでも分かりやすくまとめている。よく「社長は社員の視点で仕事を考え、社員は社長の視点で自分の仕事を考えてみることが必要」と言われるが、その後者のために多くの人が本書を読んでみて良いのではないかと思う。マンガなのでそれほど時間の掛かるものではないから、是非とも手にとって見て欲しい。会計諸表の読み方が分かるにはタイトルにもなっている第5章まで読めばいいのだが、上述したように生産現場スループットや問題解決、そして人材こそ会社の根源的な資源であると言う結論に至るエピローグまで読み通して欲しい。そこまで読んでこそ、会計諸表が出口のように見えてマネージメントにとっては入口でもあるということが理解されると思う。
蛇足だが、最後に素人社長が逆粉飾を看破するのも「キャッシュフローが改善しているのに決算は赤字なのは何故?」というキャッシュフローという現実から出発し、オピニオンでしかない決算への疑問を感じるところだというのも洒落ている。