サンチアゴをソロプレイする

bqsfgame2008-08-04

これは面白い。
「メキシカ」も期待以上だったが、本作も期待を超える面白さだった。
いま「ワーストコロニー」で、丁度、「他人と競争しているが、部分の局面では協力する必要も真剣に発生するゲーム」を作ろうとしている。その狙いが本作では然程、複雑でない範囲で綺麗に実現されている。
ゲームのモチーフは作物のプランテーションを行い、そこに灌漑を引いてくることだ。
このときに最終得点のために二つの側面で他人と部分的に協力することが必要になる。
一つは最終得点で個々の畑の価値は、連続している同じ作物の畑の数を反映するという点。このときに同じ作物で連続していれば、誰の畑でも構わない。したがって、複数のプレイヤーで同じ作物を連続させて植えると、参加した全員の得点が向上していくことになる。
もう一つは畑から得点を得るためには、その畑に灌漑用水が引かれていなければならない。灌漑が届いていない畑の価値は毎ラウンド低下していき、最後には荒地になってしまう。荒地になってしまうと上記の作物連続の判定でも荒地判定になるので連続が途切れてしまう。このため、自分の畑に灌漑を引くのが重要であるのはもちろん、時には他人の畑に灌漑することが良い手になることもある。
かくして競合しているにも関わらず、部分部分の局面では利害が一致するプレイヤーと一時的な協力関係を築いて畑の配置や灌漑の計画をしていくことが重要になっている。
カタンの開拓」における資源の交易のような直接的な形での協力は本作にはないのだが、それでも協力と競合の葛藤の妙味が上手く盛り込まれている。
惜しむらくは5人プレイを想定してデザインされており、3人でもプレイできることになっているが3人は歪な感じになっている。このプレイ人数の制約を除いては、かなりの傑作だと思う。
題材がプランテーションではあるが、一種の開発ゲームであり、しかも協力/競合型でもあり、正しく「ワーストコロニー」でやりたいと思っていたことが此処には既に存在していた。素晴らしい!