一之江ゲーム会:1826を対戦プレイ

一之江と言うと18のメッカという印象があるが、わたしが一之江で18をプレイするのは昨年の11月のスカンジナビア以来。
はちさんのインストで4人で対戦プレイ。プレイがスムーズな顔触れでテンポ良く進んだと思うが、それでも5時間半掛かってしまった。1826は予想以上のヘヴィー作品だった。
大きく言えば、1826は18GLの原型だと言える。メカニクスとしては以下の点が同じである。
1)ゲームの途中のフェイズ転換時に車両を持っていない企業が複数発生すると強制的に国営化されて再編合併されてしまう
2)資金調達の手段として、銀行からの有利子負債、増資+市場売却が認められており、結果として廃車による新規列車購入圧力に対応する柔軟性が圧倒的に高い
と言う二点がゲームの基調を彩る大きな特徴点で、この大きな特徴点が共通なので1826と18GLは非常に良く似ていると感じられる。
率直な印象として、このくらい似ているならどちらか一つあれば良く、まだしもプレイ時間が短い1826がありさえすれば18GLは存在意義が薄いのではないかと感じた。もちろんアメリカのゲーマーたちは、ベルギー+フランスのマップでプレイするより北米のどこかをプレイしたいだろうから、18GLもアメリカでは需要があると思うが。
今回の1826では、18GLよりプレイ時間が短かったことから徒労感が少なく、改めてゲームシステムについて冷静に見てみることができた。実際の運用も踏まえて以下のようなことが言えると思う。
3)上述の1と2はセットになっており、旧式列車廃車の際に資金調達が可能であると同時に、それもできないなら国鉄に吸収されるという選択肢があるので、車両不足によるプレイ閉塞がほとんど起きない
4)上述の3の結果として、プレイの途中で次期車両購入資金を稼ぐための配当留保によるプレイの中弛み的な期間が発生しない
というのが1826系のゲームシステムの良いところだと思う。
このため、プレイが序盤から終盤まで常に緊迫しており、緩むところがない。
また、
5)国鉄吸収の綾があり、廃車を発生させる新型車両の1台目の購入がどの企業になるかを巡って直前の株式ラウンドや運行時の配当処分で深刻な読み合いが発生する
というのも独特なところだと思う。18では常にどの企業がどの車両を買っていき、結果として次の新型車両の1台目が誰に落ちるかは考える必要がある。しかし、1826系では、これが特に辛辣なのだ。
国鉄吸収の影響については、プレイ終了後に冷静に考えてみると、
6)国鉄吸収段階で既存会社の株式は2:1比率で国鉄株に交換される。また、株価は既存会社の平均水準となるのでほとんど動かない。
つまり、結果として国鉄吸収されると株式資産価値としては半減すると見て良い。
7)国鉄は既存会社の駅や車両や現金資産は全て吸収する。
つまり、結果として国鉄の売上高は既存会社の合計に近くなる。
6と7の結果として、株の枚数は半減するが、売上げは倍増していくようなことになるので、得られる配当収入はそれほど変わらないことが期待される。そうすると、株式資産価値の半減のダメージを跳ね返せるようなメリットがあるなら国鉄に参加する選択肢もあるように思う。
逆に言えば、そうしたメリットが特段ない場合には、株式資産価値のダメージ分が純粋にマイナスだということになる。