付録ゲームは「セカンドフロント・ナウ!」。1943年秋に、ノルマンディー上陸作戦とは別に、1943年に上陸作戦をドイツに近いフランス北部に実施していたらどうかという一種の仮想戦ゲームだ。
ウォーゲームはアメリカ中心なので、当然だがWW2の欧州戦線ではノルマンディー上陸作戦からバルジ反攻辺りまでが一番の人気テーマだ。この辺りは様々なゲームが出ているが、そもそもの問題としてリスクの高い上陸作戦を、「いつ」、「どこで」実施するかの駆け引きが一番大きな要素であり、それを題材とした作品も多い。
実際にプレイしないまま手放したので不確かだが、おそらく上記の切口で一番包括的でありながらディティールまで見られた作品はWEGの「アゲインスト・ライヒ」ではないだろうか。デザイナーは、フリートシリーズやGCACWのバルコスキで、フルマップ2枚、上陸地点はいくつかの候補地が用意され特性の違いが示されてプレイヤーの選択に委ねられていた。
切口が全然違うが、上陸に向けての準備と、両者の諜報戦を描いたのがプラドスの「オーヴァーロード・ボディガード」だ。ドイツの暗号エニグマを巡る諜報戦は、近年のノンフィクション「暗号解読」などで技術的な詳細も紹介された。実際の上陸後の突破戦闘というフツーのウォーゲームとしては一番、華やかな部分をオミットする切り方になるので昔なら考えられなかった作品だ。
個人的には西部戦線には関心が薄いので、いまのところプレイする予定はないのだが、見たところマップサイズもコンサイスだしプレイアビリティは良さそうだ。周囲の動向を見て評判が良いようであれば手を付けて見ることもあるかも知れない。