○小林光一囲碁必勝講座:主導権のつかみ方を読む

bqsfgame2010-01-21

出版当時は囲碁を一生懸命やっていた頃なのですぐに購入して読んだ。
その後、家のスペース難で放出してしまったのだが、方円書庫あたりを見ても本書は良いという評価なので古本で再購入した。
小林光一棋聖・名人として君臨していた時代に出版され、多分に打碁集としての側面もある。第一巻は入段前後の棋譜を集めており、その中で局面の主導権をつかむ一瞬を追う。
筆者は3局目で時本三級(当時)が小林五級を序盤で主導権を奪って勝利する棋譜が好きだ。小林の7手目が図々しく、時本が10手目で主導権を奪ってしまう。この辺、自身の敗戦譜を客観的に取り上げて善悪を明確にして論述するところが小林棋書が優れているとされるところのようだ。
終章は当時流行した小林流布石の研究になっている。方円書庫を見ると、この研究から進化した研究が後の進化する布石構想で語られるらしい。そちらも近い内に是非とも見てみたいものだ。