千葉会:CWB:メカニクスビルの戦いを対戦プレイする2

(承前)シナリオ3は、ジャクソンを可変増援として6月26日の午前10時から日暮れまでをプレイする「6月26日」となっている。
CWBシリーズと言えば、90年代にCADETクラブで良くプレイしていたものだ。本作が出版された時に、亡くなられたKOSさんが将軍のレーティングを見て「CWBシリーズは、本当に個々の戦いでの顕在評価だなぁ」と言う感想を漏らしていたのが思い出される。
南北戦争では評判が高いが、本戦闘では遅刻を繰り返したジャクソンの指揮値は最低の0が付いている。一方、積極的なアクションを見せたAPヒルやDHヒルには最高の4が付いている。この辺り、個々の戦闘でのその将軍のアクティビティを反映し、全般的なイメージに引張られない評価付けになっているのは、その通りだと思う。
何故にそうなっているかと言うと、実際にその戦いをプレイした時に、その将軍がその戦いで示したようなリアクション(果断さや愚鈍さ)を示すようにゲームデザインされているからだと思う。
また、シナリオ開始時に各将軍が与えられている事前命令や、増援の投入時期が、実際の戦闘を再現する上で重要な役割を担っている。
まず攻撃側の南軍を見てみよう。
リーの作戦では最初に河川障壁のない北側から北軍を攻撃するように命令されていたジャクソンは、可変増援になっている。南軍はゲーム開始時から、一時間ごと(ゲーム内時間)にダイスを2個振り、10以上が出た場合にジャクソンの増援を得るようになっている。率直に言って確率が低く、あまり期待できない。史実では来援しなかったのだから止むを得ない評価と言えようか。ただし、あくまで可変増援なので、場合によっては計画通りに午前中に登場することもあり得るというのが史実での盤上の将軍が持っていた情報と同じような状態になっている。つまり、来るはずなのだけれども、今はどこまで来ているのか判らないという状況である。
APヒルの部隊は準備が整い次第、メカニクスビルへと前進する命令を受けている。この命令があるので、彼の部隊は史実でもそうであったように自発的に行動を開始できるようになっている。
DHヒルとロングストリートの部隊は、史実でもそうであった通りAPヒルの行動開始を受けて、APヒルの後からメカニクスビルへと増援していくように命令を受けている。
その結果、南軍は行方不明のジャクソンには困ったものだが、盤上にそれなりの兵力を持っており、メカニクスビルへの前進確保に向けた既存兵力での一体となった行動は可能になっている。
対する北軍はポーターの第5軍団しかいないのだが、基本的にビーバーダムクリークの防衛線を守るように指令されている。