グレンデイルの戦いを考える

グレンデイルは、若干知名度が劣るかも知れない。
しかし、七日間戦争の六日目に戦われた南軍にとって敗走する北軍を撃破する最大のチャンスだった戦闘である。
七日間の他の戦いの例に漏れず、リー将軍は手持ちの有力部隊の全てを同時に攻撃に投入する実行容易でない機動命令を与えた。
しかし、七日間の戦いで常にそうであった通り北からのジャクソンの攻撃は時間内に有効な行動に繋がらなかった。今回はフーガーの部隊もそれに習ったかのように時間内の有効な攻撃に至らなかった。
結局のところ、この一連の戦いで常にそうであったようにAPヒルは今回も貧乏クジを引いて最初に本格的な戦闘に巻き込まれる役回りとなった。ロングストリートも、これも毎回のことではあるが主戦場に増援を逐次投入する役回りとなった。
北軍側ではマコールが不幸にして攻撃を受ける役回りとなった。
しかし、幸いなことに師団司令官としては優秀であったとの評価を得ることになる、ファイティング・ジョー・フッカーが南側面を支援したこともあり、北側面からのセジウィック部隊の増援まで持ち応えることができた。
七日間の戦いの最終ラウンドは七日目のマルヴァーンヒルで行われるが、これは北軍の準備がもっと整っている陣地への正面攻撃となり、彼の有名な「戦争に非ず、殺人なり」とDHヒルに言わしめる凄惨な顛末を招くことになる。
そのDHヒルは、グレンデイルの戦いについて、「この日、すべての友軍がフレイザー農場に行っていたならば、マルヴァーンヒルは起こらなくて済んだであろう」と述べている。七日間戦争では終始イニシアチブを取りながら、結局、決定的な有効打を得ることのなかった南軍の攻勢計画を象徴するコメントであろうか。