☆九百人のお祖母さんを読む

bqsfgame2010-06-16

ラファティの第一短編集。
早川書房の海外SFノベルズで紹介されたので、既に古典と言って良いと思う。
内容的にもラファティのデビュー直後の絶好調期の作品群で、非常に面白い。SFマガジンやアンソロジーで見掛けた作品が多くなってしまうのは、その反作用みたいなもので止むを得ないだろうか。
「その町の名は」は、筆者が初めて買ったSFマガジンの巻頭短編だった。既に海外アンソロジーラファティを知っていて好きだったので、この作品が載っていたこともSFマガジンをその号から買うようになった大きな動機の一つだったと記憶している。
「われらかくシャルルマーニュを悩ませり」も、同じ時期にSFマガジンに掲載された時間改変テーマの洒落た小品。
「せまい谷」、「カミロイ人の初等教育」は、メリルの年間SF傑作選だったろうか。いずれもラファティらしい強烈な作品だ。
ラファティは、いわゆるホラ話しの系列だというのは良く言われることだが、本人のインタビューなどを聞いていて思うのは、アイデアも重視しているが、語り口調を重視しているのだなと思う。それが結果として古典的なトールテイルの雰囲気になったりしているのだろうか。