ハンガリアンナイトメアの問題点

プレイ時間が長大になる最大の原因は戦闘システムです。
このゲームはエリア式で、ターン構成は、ソビエト軍の移動、ドイツ軍の移動、共通の戦闘となっています。
戦闘では、イニシアチブプレイヤーをダイスで決めて、イニシアチブプレイヤーが両軍が混在する未解決エリアを指定して、そこでのアクションを実施します。アクションは具体的には、射撃攻撃か白兵戦攻撃になります。
射撃攻撃はイニシアチブプレイヤーが一方的に射撃します。各ユニットは1ターンに1回しか射撃できません。
白兵戦攻撃は両軍が攻撃し合います。射撃済みのユニットでも実施できますが、戦闘結果で混乱すると白兵戦を自分から開始することができなくなります。相手に攻撃されれば、混乱状態でも反撃できます。
いずれの攻撃方法であるにせよ、イニシアチブプレイヤーの戦闘解決のダイスが偶数ならイニシアチブは同じプレイヤーが継続し、奇数なら相手に渡ります。
エリアでは何ラウンドでも戦闘が継続でき、終了するのはイニシアチブプレイヤーのダイスの目がラウンド数で指定された範囲になった時か、両者が合意した時、3ラウンド続けて攻撃が実施されなかった時になります。
ブダペスト包囲戦は全周包囲戦であり、ソビエト軍は四方から一斉に攻撃します。このため、1ターンの戦闘実施エリアは十を悠に越えます。そして、それぞれのエリアで上述のように何ラウンドもの戦闘を実施するので、戦闘解決回数は数十回になります。このため、戦闘解決手順は延々と続いていきます。
そして、戦場には、射撃済み、戦闘解決済み、混乱などの様々なマーカーが、どの種類も不足するほど大量に置かれていきます。
まぁ、そんな訳でプレイするのが非常に大変なゲームです。
その割に1回の攻撃で得られる戦果は低くなっており、じわじわと磨滅していくような市街戦になります。
1ブロックずつ血で購いながら前進していく市街戦のシミュレーションとしては、正しいのだと思います。けれども、ゲームとしては非常に辛く苦しい作業で、今一度、この戦場に立ちたいとは思えませんでした。