☆奇跡をなす者たちを読む

bqsfgame2011-10-29

「ダールグレン」の刊行日ではミソを付けた国書刊行会だったが、本書は予定通りに出版された。素晴らしい(^o^)/
ヴァンスの短編はSFMでいくつか読んできたが、まとめて読むと改めてその力量の高さに心酔してしまう。
なんと言っても「月の蛾」だと思うのだが、陶芸SFの「フィルスクの陶匠」も素晴らしい。独特の異星文化を描かせたらヴァンスの右に出る者はない。
「奇跡をなす者たち」は、体系的な魔法が支配する中世のような惑星において、非論理的で不確実な科学が芽生える時期を描いた合戦物。魔法と科学の位置付けが反転している所がミソだが、ファンタジー合戦物として読んでも十分読めるボリュームがあるのがヴァンスのサービス過剰なところだ。
「最後の城」も合戦物で、これは奴隷化したエイリアンに依存した地球上の諸勢力の城が奴隷エイリアンの反乱で次々に陥落して行き、ついに最後の城だけが残ると言うお話し。
ここら辺の4作品は、いずれもトップクラスの出来栄えだ。
そして、巻末にはなんとヴァンスコレクション発行が決まっているというサプライズニュースがある。
いやぁ、凄いですねぇ。国書刊行会さん、やってくれますねぇ‥(^o^)