○天才はつくられるを読む

bqsfgame2012-04-01

眉村卓の代表作的な路線に、ねらわれた学園なぞの転校生、地獄の才能などがあるが、その流れの一冊。
図書委員の主人公が手にした誤って配送されて来た本は、超能力開発のためのテキストブックだった。配送者は慌てて回収していくが、その本に興味を持ってしまった主人公は奇妙な事件に巻き込まれていくことになる‥。
いかにもと言った日常的な学園者からサスペンスへと移行していくストーリー。
特別に本作品ならではと言うものがある訳ではないのだが、超能力開発を生み出した老人と、その生徒たちの秘密結社と言う構図は、マンガ「さすがの猿飛」を思い出させた。
もう一編は、突然、異性を強烈に惹きつけるようになってしまい大騒ぎになる「ぼくは呼ばない」だ。こちらも日常的な学園生活から一気にサスペンスに雪崩れ込む。
今になって読むと、非常に懐かしい印象がする二作品だった。