☆ルーズヴェルトゲームを読む

bqsfgame2012-05-25

池井戸潤直木賞受賞後第一作。
今回は社会人野球部を抱えた電気会社が舞台。
技術力はあるが営業力と財務力のない青島製作所は、リーマンショック以後の景気減速の影響で苦境に陥っていた。
そんな中で野球部は存続の危機にあり、しかも前任監督がエースと4番を連れてライヴァル会社へ移籍してしまった。
例によって複合的な危機要因の中、諦めずに奮闘する企業小説。
個人的には絶体絶命の株主総会での起死回生の逆転の説得力が本書は優れているので、下町ロケットより良いかも知れないとさえ思った。
株主総会で外部大株主の女社長が質問した相手は専務。その専務はライヴァル会社から声を掛けられていたのだが、彼が答えたことは。
野球部の物語は、タイトルから予想できる通りのゲーム展開のもと、それなりのところに収まる。過剰にご都合主義でない結末が、こちらも説得力があると思った。