○天地明察を読む

bqsfgame2013-01-15

二世・安井算哲の物語。
と言っても改暦の物語なので碁打ちとしての話しは出てくるけれども主題ではない。 二世・算哲は、算術家、碁打ち、天文家、神道家と言う多彩な顔を持ち、この多彩な才があってこそ改暦がなったという物語になっている。
ただ、小説としては算術勝負の話しから始まり、お城碁の話しになり、それから改暦の話しになるので盛りだくさん過ぎて焦点を絞って読みにくい気がする。スゴイ題材だし、リーダビリティも高いのだが、それだけに残念な気もする。
二世・算哲は、道策と時代がぶつかってしまったので、お城碁の成績は勝敗だけ見ると良くない。しかし、これだけ多彩な方面で才能を開花させたので大才であったことは疑いない。道策が、彼に碁だけに集中して欲しいと願ったのが叶っていたら、いかほどの者になっていたろうか?
余談だが、そもそもこれを読む気になったのは作者が日本SF大賞作家だからなのだが、本書はまったくSFではない‥(^_^;