プレイバランスに関するコメント

ほぼ1710年の終わりまでプレイして同盟の得点は結局8〜12点の間を往来していました。そうすると、仮にサドンデスがなくともフランス軍は最大規模の5VPの+3譲歩を用意して講和チェックできるので、そうするとヨーゼフ崩御の+1と併せて+4修整で、ダイス1個4以上でイギリスは単独講和となります。マールバラ公とイギリス軍団が脱落すると、同盟軍が攻勢を維持するのは難しそうです。そうすると、サドンデスでなくゲームが続いたとしても、同盟が勝利するのは容易でなさそうです。
ゲーム序盤から同盟は常に敗北の危機にさらされ続けており、ゲームのプレイバランスはかなりフランス側に寄っていると言って良いように思います。
また、イギリスの講和がない場合には、譲歩の5点が手に入らず、また勝利条件の基準も5点上積みなってしまい25点が必要になります。1710年で10点前後と言う状況では、あと15点を取るのはマールバラ公がいても至難の業に思えます。
デザイナーの見解は、同盟が勝利することは難しかったと言う分析なのでしょうか。史実で生涯無敗を誇ったマールバラ公の一大戦記のゲームとしては、評価の難しいゲームです。デザイナーとしては、ブレンハイムを初めとする野戦でのマールバラ公の強さは否定しないが、「政治要素も含めた戦争全局としては勝てなかったのではないの? 事実、本国政府に罷免されたでしょう?」と言うメッセージが本作なのかも知れません。
画像は、frog gallery さんにあったマールバラ公です。