ゲーム概観

アメリカ独立戦争の全体を一日でプレイできるサイズです。ウィーザピープルほど抽象的でなく、13コロニーズのように史実の細部を取り込むことに執着しておらず、良い加減のデザインだと思います。
ゲームシステム的には、ミランダの近代以前のいつものシステムです。
戦闘はしますが、どちらかと言えば政治要素が大事なゲームです。ストラテジムマーカーならぬキャンペーンマーカーを湯水のごとく使ってプレイします。
ミランダの一連の作品の中でも特に政治要素が強く、キャンペーンマーカーの使い道が3種類もあります。
1:アメリカ独立状態トラックを進める
独立宣言を出し、最終的には合衆国憲法の制定まであります。アメリカは勝つためには最低でも独立宣言まで行かなければなりません。このトラックは進むか止まるかだけで戻ることはありません。
2:バランスオブパワートラックを自軍有利に修整する
外交に当たり、特にアメリカから見てフランス、最終的にはスペインが同盟国として参戦してくれる所まで進められます。このトラックは戻ることがあり、反対側の英国有利の世界情勢まで存在しています。その意味では取り扱い注意。
3:各植民地州の忠誠の修整
ニューイングランド、ミッドアトランティック、ヴァージニア、サウス、ウェスト、カナダの個別に忠誠が設定されています。開戦時には前の4者だけがアメリカ支持です。勝利するためには少なくとも4地域を確固たるアメリカ支持にしなければなりません。このトラックは実体は6つに分かれているので、その意味では使い道は8つあるとも言えます。
と言うことで、8つも使い道があるのですが、キャンペーンマーカーも非常に手に入りやすくなっています。まず増援と同じように買え、1枚1点しかしません。最大15枚まで買えます。ただし、ターンを越すときに手持ちの半分を捨てるので、賞味期限は長くありません。
あとキャンペーンの中にあるイベントで手に入ることもあり、戦闘で戦果を上げると手に入ることがあり、また外交バランスの結果で支給されることもあります。
なので、2ターンくらいで全部のマーカーが回ってしまうくらい、じゃんじゃか使います。ミランダのゲームはいろいろやってきましたが、こんなに使いまくるのは本作くらいのものでしょう。
そんな訳で、いろいろなマーカーがいっぱいあるゲームで、実働戦闘ユニット数は非常に少ないです。加えて、古代戦並みに補給制限が厳しく、それとは別にアメリカ側は徴兵期限による消滅チェックまであるので、戦闘ユニットが盤上にたくさん並ぶことはありません。
マップはポイント式で、移動力はダイスを振ってスタックごとに決めます。1ターンに最大3回まで行軍できますが、2回目以降の損耗チェックも大変厳しくなっています。飢え死にする訳じゃなくて、脱走しちゃうんでしょうね‥(^_^;
戦闘は、戦闘力分のダイスを振り、5が出たら敵1ユニットが混乱、6が出たら敵1ユニットを除去です。無限ラウンド方式。ま、SSシリーズみたいなものです。
明日につづく‥(^_^;