☆カベ攻めの極意を読む

bqsfgame2014-02-25

木谷道場シリーズの趙治勲の実利派布教本。
武宮宇宙流以降、大模様の碁がアマチュアでは特に猛威を揮った。それに対して、実利の強さと、模様の弱さを徹頭徹尾追求した一冊。
一般に、外回り=壁=厚みと言うイメージがあるが、壁は必ずしも厚からずを説き続ける。確実に生きている石は厚いと主張し、確実に生きている石ばかりなら不安なく模様に打込んでいけると主張する。
一方石はなかなか取れないと言うが、その意味では確実に生きている石ばかりにしておけば、多少の乱暴を働いても絡まれることはなく、確かに攻める側が持て余す部分もあろう。多少、扇動的に走りすぎている嫌いもあるが、非常に説得力があり、刺激的で面白い読み物だと思う。では、これを読んで実利+しのぎ派に転向するかと言うと、そういうことではない。ただ、碁の考え方は、広い物だと改めて感じさせられる。
姉妹編の「シノギの神髄」も一緒に買ったので、近日中に読む予定。