プリズナーno.6を見る(10,11,12)

bqsfgame2014-03-04

第10話は、邦題で「no.2旗色悪し」です。中身そのままの邦題で、判りやすくはあるけれどもセンスはないかなと思います。原題はエピソード中のセリフにも出てくる「Hammer into Anvil」です。これはなかなか意味が深いタイトルで、これで良いのではないかと思いますが、アンヴィルと言われても判らない日本人が多いのかも知れません。ウォーゲーマーなら、GI勝利の礎、プロレスラーなら、ジムナイド・ハートのことですね‥(^_^;
作中にもある通りでゲーテの一節、「なんじ、ハンマーであるか、アンヴィルであるか?」から来ているのですが、no.2は自分が当然ハンマーだと思っていた訳です。ところが、そのつもりでno.6の言動の詳細分析をしている内に追い込まれていくのはno.2の方だと言う。
このゲーテの名セリフから膨らませて1エピソードにしてしまう洒落た作りがプリズナーらしい気がします。異色ですが面白いエピソードだと思います。ただ、no.6視点のエピソードでないので違和感が強い人もいるかと思います。
第11話は、「暗殺計画」です。
導入部では、若い#2に対する暗殺計画への援助を村の女性が頼んできます。しかし、#6は当初は関心を持ちません。しかし、女性の父親の時計屋が起爆装置を作っているのを見て、これはどうも本気のようだと思います。その時に意外にも#6は、#2に警告すると言う行動に出ます。
ところが、話しは此処から捻れはじめ、実は若い#2自身が暗殺の黒幕で、相手は年配の前任#2だと言うのです。
#6は前任#2に警告しますが、暗殺予定の前任#2はそれでも予定通り退職式典に出ます。式典をどこかから観察している時計職人を#6は発見して暗殺を阻止、結局、暗殺計画は未遂に終わります。
第12話は、反動分子です。
この回は突然、村の「委員会」なる組織が登場し、no.6を反社会的として、村のコミュニティから疎外します。さらに、超音波手術により前頭葉を操作して反社会性を抑制したように見せます。ところが、実際にはそんな手術をする能力は委員会にはなく、単に薬剤により制限しているだけでした。no.6は、そのトリックを見破り、逆にno.2を反社会的だとして村のコミュニティから疎外する反撃に出ます。
面白いエピソードですが、突然登場する委員会はno.2より部分的には強力な権限を持っていて、なんでこの組織が今まで出てこなかったのかと真面目に考えると辻褄はあっていません‥(^_^; まぁ、いつものことですが。