春を背負ってを見る

bqsfgame2014-09-14

剣岳:点の記」の木村大作監督の第2作だそうです。
本来、木村監督は剣岳一作限りの予定だったそうですが、好評に付き第2作となったそうです。「剣岳」はテレビで見たのですが、迫力のある山岳シーンに、「これは劇場で見るべきだった」と後悔しました。
しかし、木村監督が2作目を撮っていたとは知らず、たまたま映画館に行ったらやっていて、期せずして見ることができました。
立山の2000mの標高にある赤字の山小屋が主人公です。これを頑固に守り抜いた父(小林薫)が急死し、トレーダーをやっていた息子が会社を辞めて継ぐことにします。調理のアルバイトをしている愛(蒼井優)、父の後輩の山男の悟朗(豊川悦司)らの助けを受けながら成長していきます。
前作のように未登頂の山に挑戦する話しではないので、登山シーンはマイルドですが、それでも遭難救助シーンがあります。また、木村監督自身が撮影と言うことを知って見ると、焦点深度の取り方の妙を感じる部分が多く、映像的に見応えがあります。
また、キャスティングが豪華で、母親役は檀ふみ、脇役陣には、幼馴染夫婦の新井浩文安藤さくら、救助隊の吉田栄作駿河太郎、地元の人々の役で石橋蓮司モロ師岡、蛍雪次郎、常連客役で市毛良枝など。意外だったのは、「MOZU」で殺人鬼役だった池松壮亮がオオメシ君のニックネームの大学生登山家で登場して遭難する所でした。
率直に言って、蒼井優とトヨエツの二人が非常に良く、そこで映画を支えていたと言う印象が強いです。蒼井優は、「若者たち」に続いてのスマッシュヒットで、個人的には「フラガール」当時以来の復権を果たしました(笑)。トヨエツは、なんとなく「LoveLetter」の時のガラス工芸家を思い出しました。調べると、1995年の作品で、もう20年も前なのですね。当時は33才、今はもう52才ですか。あまり変わっていませんが、今が若々しいと言うより、当時が既に老成していたように思います。