○パチャカマに落ちる陽を読む

bqsfgame2014-11-13

日本SF全集‥」でのピックアップ本です。豊田有恒としては、2冊目になります。
「改体者」が宇宙SFだったのとは打って変わって、時間パトロール物です。
なんと、インカ、アステカ、マヤの中南米三大文明が題材になっていて驚きます。
タイムパトロール物と言うと、アンダーソンのオリジナル、小松左京の「時間エージェント」などがあるので、多少、摩耗している印象があるでしょうか。
集中では、「アステカに吹く嵐」が、アステカ最後の時を題材に緊迫感のある小編となっていて一番良いと思います。他は、多少、見劣りするでしょうか‥(^_^;
本書の延長線に長編「モンゴルの残光」があるのですが、まぁそこまでは読まなくても良いかなと言う感想です。
それにしても豊田有恒の博学ぶりは恐るべきです。小松左京ほどではありませんが、幅の広さと、特にマイナー分野への熱い関心と言う点ではかなりの物です。惜しむらくは、それをもっとアウトプットとして出して欲しかったという所でしょうか。SF小説の形では、あまりまとまっていませんね‥(^_^;