○ガニメデ支配を読む

bqsfgame2014-11-15

フィリップ・ディックの未訳長編がまた一つ。
ネルソンとの共作ですが、読んだ感じではあまりネルソン色はないようです。
芋虫のようなガニメデ星人に征服されて数か月後の地球。唯一抵抗を続けるテネシーの黒人解放同盟のリーダーを巡っての戦いです。
と言っても普通の戦いではなく、各人をそれぞれの幻覚を利用した現実へと誘導してしまう最終兵器?を使っての戦いです。結果として、現実と幻覚の境界が不明確になる所はお馴染みのディック調と言って良いでしょう。
ガニメデ星人の地球征服譚としては多分にスターウォーズな印象があり、典型的なB級SFです。売れた先がエースブックと言うのですから、まぁ当然な路線とも言えますが。
出来栄えとしては、空間亀裂より少し下かなと思います。多分、再読することはないかなと言う印象です。
ただ、あちらこちらのガジェットがARESマガジンの「オメガウォー」を連想させてくれて、そこは個人的には楽しめました。