夏じゅうかかろうとも

「夏じゅうかかろうとも」は、誰のセリフでしょう?



答えは、舞台、「奇跡の人」で、父親にヘレンの教育の見通しを尋ねられたサリバン先生が答える前に、斜に構えた長男のジェームスが割り込んで言った台詞です。
これは思わず笑ってしまいましたが、客席の反応は鈍かったので、出典が判らない人が多いのでしょう。
では、出典は?



答えは、南北戦争オーバーランド戦役の見通しをリンカーン大統領に尋ねられたグラント将軍が答えた台詞、「たとえ、この夏じゅうかかろうとも、この戦線で攻撃し続けるのが良いと思います」です。リンカーン大統領は、この答えに納得して、コールドハーバーの大損害にも関わらずグラントの東部戦線での正面攻勢の継続を支持しました。
今回、「奇跡の人」を見て初めて知ったのですが、舞台はアラバマ州で、時期は南北戦争の直後なのですね。さらに、ケラー家は、なんとボビー・リーの縁戚だと言うのです。なので、食卓の会話では、グラントのことを飲んだくれとこきおろしたり、ヴィックスバーグではグラントに負けたが鉄壁ジャクソンさえ生きていれば‥と言う会話が飛び交います。
そういう南北戦争の伏線が多々登場した上でのジェームスのセリフは、父親が嫌がる北部のグラント将軍のセリフの引用であり、ヘレンを教えることなどできるはずないさと言うジェームスの皮肉な見解になっているのです。
とまぁ、一つのセリフに、そんな解説が必要なのはどうかと思いますが、アメリカ人が聞けば誰でも理解できるギャグなんでしょうかね?
あとケラー家の使用人の役の人たちが軒並み顔を黒く塗って登場するのは、南部の大農場ではまだまだ黒人を使用人として使っていたから。そういう時代背景を映してもいるのですが、別にそんなことは理解できなくても舞台は楽しく見ることができます。
入口のお花に、高畑宛てに、桐谷と山本美月からの花があって、女子ーズの結束の強さが判るのも嬉しいんですが、これはもっと関係ない話しです。
あとバカリズムから二人にそれぞれに大きな花が出ていて、木南は「リアル脱出ゲーム」だけど、高畑の分は何かな?と思ったり。まぁ、マニアと言うのはどうしようもないことをいろいろと見ているものです‥(^_^;