千葉会:バタイユドヴォーシャンを対戦プレイする

千葉会@森のホール21で、DRAGOONさんと対戦してきました。
10時集合で、17時までプレイして、ゲーム内時間で1時間(3ターン)ほど過ぎた所で、放棄しました。
結論としては、対戦ゲームとしての魅力に乏しいという整理です。
ヴォーシャンは企画としては良さそうに見えます。
1:サイズが手頃
2:ATO標準の条文形式で整理されたルールブック
3:アートワークの水準はシリーズ標準を維持している
しかし、実際に対戦すると問題が山積
4:シチュエーションが一方的で連合軍には面白味がない
5:マリールイーズ版ルールと、ルールの差異説明にない小さいが個々の局面では重要な差異が頻出しルール確認に多大な時間を取られる
6:序盤のプロシア軍の崩壊は一方的、ロシア軍の来援までプレイすると朝から始めて午後の到着となるがプレイヤーのモラルが先に崩壊してしまう
と言った所でしょうか。
6について、プロシア軍の崩壊後から始めるシナリオがあってもという議論もしました。
しかし、ヴォーシャンの戦いの意義は、ナポレオンがブリュッヒャーを粉砕したことにあり、そこを見せないとヴォーシャンの戦いと名乗るゲームには値しなくなってしまうのではないかと愚考します。
6日間の戦いの最後の戦いとして、倍するシレジア軍を文句なしに打ち破ったことを表現したいのはナポレオン戦争ファンのデザイン陣としては無理ない所でしょう。
それにしても、マリールイーズ版との差異の多さには辟易しました。たくさんありすぎて覚えていませんが、一番痛かったのは、回復フェイズにディスオーダーユニットが回復モラルチェックに失敗した場合、マリールイーズ版では単に回復できないだけなのが、ヴォーシャンルールでは潰走してしまうことです。他には突撃開始時点で目標がLOS内に入っている必要がないのもマリールイーズ版では違ったのではないかという話しも出ました。
そういう意味では、シリーズファンこそ本作の評価が下がってしまうのは止むを得ないのかも知れません。結果として、マリールイーズ版とルールが違いすぎるのでシリーズファン以外の入門編としての機能にも難ありです。かくて、ヴォーシャンは誰のためにデザインされたのだろうと不思議に思ってしまうのでした。
ナポレオン戦争のASLとも呼ばれるバタイユシリーズの、魅力の片鱗(詳細な隊形ルール、緻密な突撃ルール)は感じさせるだけに、もう一頑張りして楽しく遊べるように仕上げて欲しかった気がします。そのためには、ヴォーシャンという戦場の選択は良くなかったのかも知れません。
逆に、デザイン陣からすると、ナポレオンの最高傑作と言われる6日間の戦いを作りたいが、それを作る企画としてボックスゲームではやれなかったので、ATO別冊でと言うことだったのでしょうか?
4ですが、とにかくコラム隊形でセットアップした状態で、いきなりフランス軍の奇襲を受けるという時点でダメです。加えて最初の3ターンは、モラルチェックに+9/+6/+3の修整があります。特に+9は強烈で、あれよあれよと言う間に連合軍は崩壊します。3ターンまでで奇襲ルールは消えますが、その頃にはフォーメーションモラルが低下して、そちらの修整が+3/+9と増大していくので、プロシア軍は終始潰走し続ける展開となります。うーん、これは競技ゲームとしてどうなんでしょうね。それでも、勝利条件的にはフランス軍は定刻までに連合軍を西側のマップから完全に叩き出さなければならないので、勝利条件の議論としては一応は勝負になっているようです。でも、ロシア軍が来て第2ラウンドが始まる前にプレイヤーが消耗して潰走してしまいました‥(^_^;ウーム