ガンズオブアスカリをソロプレイする

懸案のタンザニア戦をソロプレイしました。
タンザニア戦は4年も続いたゲリラ戦で、それを本作は1ヶ月単位で扱います。ですので、キャンペーンは40ターン以上あります。
しかし、本作は序盤、中盤、終盤の佳境部分を切り出して、シナリオ化しています。序盤戦シナリオは5ターンしかなく、両軍のタンザニア展開兵力も少ない時期なのでプレイアブルです。
で、やってみた感想ですが、非常に独特な世界です。
WW1と言うと、欧州では塹壕戦のイメージがあり、本ゲームにも塹壕ルールがあります。しかし、戦場が広大なのにユニット数が少ないので、戦線を展開して膠着した睨み合いには全然なりません。
また土地柄ですが、補給ルールが非常に厳しい。補給線を引くのに、珍しい概念ですが出発点が要ります。出発点は町か線路か港か人足ユニットでなければなりません。逆に言えば、荒野にポツネンと戦闘ユニットだけいても出発点条件を満たさないので必ず非補給になります。
で、出発点から連続した線路、敵支配でない水域、人足ユニットで補給拠点までトレースします。往時のタンザニアの鉄道線は限られており、結果として港に通じる鉄道線から少し逸れると補給のしようがありません。補給が切れると移動力が低下します。ただでさえ広いマップの割に移動力が小さいのに、補給切れが輪を掛けます。なので、WW1と言うより、古代戦みたいな感じです。ミランダの「アンシェントワールド」シリーズみたいです。あれみたいに道路沿いに移動しないと迷子になったりはしませんが。
両軍のVPは、互いに敵テリトリーの町や港を取ることで得られます。ユニットをいくら撃破しても一点にもなりません。なので、敵のいない町や、弱そうな守備隊しかいない町を目指して、それなりのスタックを推し進めあうことになります。鉄道移動はあるので、鉄道路上の目標は援軍が来て強化されやすく、攻めにくい印象を持ちました。
結果として、敵の弱体な補給線の切れている辺境を、こちらも補給切れになってヒーコラ言いながら攻めに行きます。全体像としては、SPIの「南極未来戦争」を想起させます。
戦闘ルールに戦術色がある旨は以前に書いた通りです。ただ、その結果としてトリッキーなことが色々と起こってきます。ここらへんは実際にプレイして何度か戦闘してみると、いろいろ判ってきます。特にゲームの2年目までは、防御側しかマシンガン射撃できないと言うのは重要です。このため、最初の2年は攻撃側が戦果を挙げるには、かなり優勢な兵力をもってする必要があります。
あと砲兵の扱いが変わっていて、マシンガン、ライフル攻撃では砲撃ゾーンにいる敵を攻撃できません。なので、砲兵が強いかと言うとそうではなく、味方の崩壊していない歩兵がいなくなってしまうと、砲兵は捕獲されてしまうので、実は非常に脆弱なのです。砲兵は射程有利による先制攻撃能力がありますが、前に書いた通り相手を制圧状態にしますが具体的なダメージを与えにくいので、強いか弱いか判断が難しい兵科です。
後はマップの範囲が「サイドショウ」より広く、特に南側のローデシアポルトガル領東アフリカが描かれています。このため、ドイツ軍の逆進攻作戦の余地があります。これと連動してドイツ海軍の帰趨が重要な印象を受けました。
ゲーム的な面白さと言う点では、「サイドショウ」の方が良かったという漠然とした記憶があるのですが、本作もなかなかどうして珍しい戦場の独特の戦いを表現した佳作と言う印象を受けました。ただし、フルキャンペーンは相当に時間が掛かりそうです。丸一日は覚悟する必要あるのではないでしょうか。