巨星墜ちる、北の湖

bqsfgame2015-11-20

北の湖理事長が急死。
ニックに続いて格闘技界の巨星が墜ちた。
個人的には大横綱と言えば、北の湖だった。世代的に、ちょうどそういう巡り合せだった。大鵬は、引退直前しか知らない。北の富士や輪島は大横綱とは呼びにくいだろう。
北の湖と言うと、あだち充の「タッチ」の序盤で、南ちゃんが達也をリレー選手に押すと、担任の先生が「北の湖だって小学校の時は負けただろうしなぁ」というのが印象に残っている。強いアスリートの代名詞的存在なのだ、筆者の世代にとっては。
また、大鵬時代からの相撲ファンの人も、大鵬の巡業の稽古はつまらないが北の湖のは面白かったという人が多い。ソツなく決まったパターンで勝ち続ける大鵬に対して、いろいろなことをやって勝って見せるので面白いということらしい。
巨体ながら非常に器用な人で、相手の上手を切る技術は当代一だった。輪島の右おっつけを嫌って意図的に右四つで取ったりもして、左四つ一辺倒でなかったのも芸の広い所。
北の湖を苦手にした三重ノ海が、ついに猫だましを繰り出したのも思い出深い。
どちらかと言うと親方になってからは実績が上がらなかった印象だが、それでも北の湖理事長を守るためにと自ら犠牲を買って出る部下が少なくなかったのは、それ相応の人望があったからなのだろう。相撲界が苦しい時期を担うことになって運が悪かった部分もあるかと思う。
それにしても巨星墜つと言うにふさわしい存在だったと思う。