☆セントイージス号の武勲を読む

bqsfgame2018-09-09

上田小夕里です。
最新作では直木賞にノミネートされたようですが、直木賞も意外と見る目があるのですね。
さて、帆船時代の小説です。でも、SFなので、トラファルガー海戦に蒸気駆動戦列艦がいたり、シーサーペントが出てきたりします。
なんでそうなるのかは読んでのお楽しみ。
海戦ですから死屍累々なのですが、いつもの上田作品よりずっと明るく仕上がっており、本当に気持ちよく読めます。これほど読後感が良いのは上田作品では初めてかも知れません。
本書を読むと、「woodenships ironmen」を手放したのは失敗だったかと思ったりします。いえ、でも再入手したりはしませんよ(苦笑)。
ナポレオン戦争をイギリス側から見ることになるので、ナポレオンはとっても悪い奴です(笑)。
主人公の親友が最初と最後に死んでしまうのは、題材に峻厳な立場で書ききる上田先生ならではです。