NHKスペシャルです。
天安門事件に至る民主化デモの始まりからの50日間を描いたドキュメンタリーです。
事件当時に見かけた映像でも、直後に封印されて見なくなってしまったものが多い謎の事件です。
改めて見てみると、いろいろな気付きがありました。
趙紫陽さんは、非常に見識が高かったのですね。その人の納骨がいまだに許されないというのは悲しいことです。
人民解放軍が北京に入ってきた当初はデモ隊と談笑したりしている映像が残っており、同じ国の若者同士の普通の関係だったことが判りました。
解放軍が制圧を命じられた時に、拒否した司令官がいたと言うのは、今回はじめて知りました。
時のブッシュ大統領が、鄧小平に対して秘密メッセージを送っていて、そこには中国に対する強い批判を米日が抑え込んだことと、中国への期待が綴られていて、そうかアメリカってそういう国なのかと思いました。それに日本が同調していたと言うのはショックでした。この決断をした総理は誰かと調べてみたら、宇野宗佑なのですね。
「サンデーモーニング」で、田中秀征先生が、当時の日本として「経済の自由化が進めば、それが政治の自由化も促すだろうという期待をしていたが、間違っていた」と発言しました。ブッシュ大統領も同じ間違いをした一人だったのかと思います。
同じく「サンデーモーニング」で、共産党独裁国家として邁進する中国を止める最大の抵抗勢力は好き嫌いは別としてトランプ大統領だ‥という話しが出てきて、非常に考えさせられました。
「毒を以て毒を制す」と言う事例でしょうか。
「安田講堂」のゲームが作れるのなら、「天安門」のゲームもいつの日か作られるかも知れません。作る人が無事でいられるような状況に早くなって欲しいものです。
今回のドキュメンタリーでも中国の内側の証人たちは、中国を出てしまった人が多く、そういう立場でないと話せないのかと痛感させられました。