〇誰の息子でもないを読む

神林長平。図書館です。

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朝日新聞社出版のソフトカバー。

オルタネートヒストリーもので、爆撃を受けたことのある安曇野が舞台。日本では爆撃を受けた歴史を踏まえて、各家庭に個人のパスコードで使用できる携帯SAM「桜電」が配備されている。

一方、ネットワーク内で自身の代わりに行動する自身のネットアヴァターが普及している。このアヴァターが本人が死亡後もネット上に残存するネットファントムが問題になっており、主人公はこれを削除する仕事をする公務員。

失踪して横死した父親のネットファントムと遭遇し、それとの確執から最後はネットファントムを撃破するために桜電を発射してしまう。しかし、目的は達せず、市役所の建物だけ破壊したためにテロリストとして拘置されてしまう。と言ったような吹っ飛んだお話し。

ネットワーク内の自我、個人用の兵器と言った神林作品らしいモチーフが並んでいて、リーダビリティも良い。

ただ、すっきり理解できない部分が随所に残るのは止むを得ないか。

同出版社の神林作品は他にもあるのだが、探してまで読むかは微妙なゾーンだろうか。