WOWOWです。
是枝監督特集の一環として。
初めて見ましたが、なかなか考えさせる重厚な作品でした。
TVドラマの「HERO」のアンチテーゼみたいと思いました。「真実」にこだわる久利生検事に対して、「真実」に興味がなく法廷戦術論から意思決定する弁護団(福山雅治、吉田鋼太郎)。
その弁護団に対して、次々に言を翻していく信頼の置けない被告に役所広司。その二転三転する主張に付き合っていく内に、「真実」への関心を持つようになる弁護士。しかし、その関心をも嘲笑うかのように最後まで言を左右し続ける被告。
公判前整理手続きから、公判、さらに公判での方針大転換を巡っての三者協議と、立場の違う検察と弁護団が、被告に翻弄されて噛み合わない対立を続けさせられるのは独特です。法廷物の映画などでも見掛けたことのない異例の展開です。
そして、真相を明示しないままに終わってしまうエンディングは、飽くまで見る人に「あなたが考えてください」と強いています。
こういう映画もあって良いのかとは思いましたが、見ていて非常に疲れました。もう一回見ることはないかと思います。
検察側の市川実日子が非常に良いです。