☆吸血鬼エフェメラを読む

ハヤカワ文庫JAリストからのピックアップです。

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大原まり子らしい作品です。

ゴシックホラーのモチーフである吸血鬼ですが、本作の吸血鬼は大原オリジナルの一種のエイリアンです。

p205

太古の昔から人類に憑りつき、いや正確には女に憑りつき、その心臓を刳り抜いてその場所に収まり、血の養分をろ過して栄養とし意識を支配する魔物。

 

というギミックです。

男に寄生することもできるのですが、そうすると増殖して娘は離脱して新たな宿主を探さねばならなくなります。

ややこしいことに妊婦に寄生すると、稀にそのまま吸血鬼と人間の両方の血を受け継いだ娘を産むことになります。

そして、人間の歴史の闇の部分に数千年に渡って共生してきたというのです。

良くも悪くも大原まり子らしいです。一冊ですっきりと完結しているので、シノハラコンツェルンシリーズよりも取り組みやすく、薦められます。kindle版で普通に読めるようですから是非とも。